僅かな距離

最初はただの違和感だった。

授業中に視線が泳ぐこと。

誰かに話しかけられるたびに肩が強張ること。

以前より笑わなくなったこと。

ほんの些細な変化。

けれど。

毎日見ている担任だからこそ気づく変化だった。

そして気づいた頃には。

陽依は自分を避けるようになっていた。

廊下ですれ違えば目を逸らされる。

話しかけても短い返事しか返ってこない。

以前なら見せていた小さな表情さえ隠そうとする。

まるで。

自分との間に見えない壁を作ろうとしているみたいだった。