職員室には、今日も遅い時間まで蛍光灯の白い光が静かに降り注いでいた。 生徒たちの賑やかな声はとっくに消え、窓の外から聞こえるのは運動部の掛け声と、時折吹き抜ける風が木々を揺らす音だけだった。 月城翔平は机に向かったまま、一枚の書類に目を落としていた。 進路希望調査。 提出期限が迫っている生徒の一覧。 学年会議の資料。 やるべき仕事はいくらでもある。 本来なら今はそちらに集中しなければならない時間だった。 それなのに。 気づけば視線は同じ場所を彷徨っている。