僅かな距離

胸の奥が熱くなる。

涙が出そうになる。

「助けて……」

小さく唇が動いた。

声にならないほど小さな呟きだった。

誰にも聞こえない。

自分にさえ聞こえないくらいの声。

本当は言いたかった。

ずっと。

誰かに。

助けてほしかった。

苦しいって言いたかった。

もう頑張れないって言いたかった。

でも。
その願いを飲み込む。

ゆっくりと。

何度もそうしてきたように。