僅かな距離

窓際の机。

そこに見覚えのある姿があった。

月城翔平だった。

書類に目を通しながら何かを書き込んでいる。

時折ペンを止めて考え込む仕草も見える。

普段教室で見る姿と変わらない。

いつも通りの月城だった。

陽依は思わず立ち止まった。

足が勝手に止まってしまった。

帰らなければいけないのに。

ここにいても仕方がないのに。

それでも目を離せなかった。