僅かな距離

ホームルームの終わり。

月城が連絡事項を話している。

いつもなら聞き流している声。

でも今日は違った。

聞きたくないのに耳に入ってくる。

「何か困ったことがあったら一人で抱え込むなよ。」

何気ない言葉だった。

クラス全員に向けた言葉なのに。
陽依だけに向けられたように聞こえた。

思わず顔を上げる。

すると。

一瞬だけ目が合った。

月城の視線。

心配そうな目。

陽依は慌てて俯いた。

胸が痛い。

見ないでほしい。

優しくしないでほしい。

そう思うのに。

本当は違う。