僅かな距離

先生に迷惑がかかる。

その考えだけが胸の中で膨らんでいく。

月城は何も悪くない。

自分を心配してくれただけだ。

それなのに。

自分と関わったせいで変な噂を立てられるかもしれない。

周りから何か言われるかもしれない。

教師として困る立場になるかもしれない。

「嫌だ……」

思わず声が漏れた。

涙が落ちる。

ぽた、とスマホの画面に落ちた雫が文字を滲ませる。

翌日。

陽依はほとんど眠れないまま学校へ来ていた。

教室の景色がぼやける。

授業の内容も入ってこない。

ノートを開いているだけ。

文字を書いているふりをしているだけ。