僅かな距離

連れて行かれたのは、普段ほとんど人が来ない特別棟の階段踊り場だった。

窓から差し込む光だけが静かに床を照らしている。

人の気配はない。

教師も生徒も通らない場所。

陽依はその時点で嫌な予感がしていた。

胸の奥がざわざわする。

逃げたい。

でも逃げられない。

そんな感覚だった。

「何ですか……?」

恐る恐るそう尋ねると、三人は顔を見合わせた。

そして、一番背の高い女子がゆっくり口を開いた。

「月城先生と何話してたの?」

その瞬間、陽依の心臓が大きく跳ねた。