僅かな距離

「でもな」

月城は続けた。

「分かろうとはできる」

陽依の瞳が揺れる。

「一人で抱えて苦しんでることくらい分かる」
「……」
「無理して笑ってることも分かる」

陽依の喉が詰まる。
誰にも気づかれていないと思っていた。
気づかれないようにしていた。
なのに。

「だからさ」

月城は一歩だけ近づいた。

「俺のこと頼ってよ」

陽依の目から、
大粒の涙がこぼれ落ちた。

「……無理」

かすれた声。

「頼ったら迷惑かける」
「かけろよ」

即答だった。

「先生ってそういう仕事だから」

少しだけ笑う。

でも目は真剣だった。