僅かな距離

陽依の肩がびくりと震える。

「……どうした」

返事はない。

月城は無理に近づかなかった。

少し離れた場所で立ち止まる。

「教室にいなかったから探した」

沈黙。
風だけが吹いていた。

「何かあったか?」

優しい声だった。
だからこそ苦しかった。

陽依は唇を噛む。

言ったら終わる。
弱い人間だと思われる。

迷惑をかける。

期待させて、
結局助けてもらえなかったらもっと辛い。