僅かな距離

けれど。

月城は納得できなかった。

もし本当に苦しんでいたら。
もし助けを待っていたら。

その時。

職員室の窓の外。

屋上階段の踊り場に座る小さな背中が見えた。
月島だった。

誰にも見られていないと思っている背中。

一人で泣いている背中。

月城は立ち上がった。

教師としてではなく。

ただ、

あの生徒を放っておけない一人の大人として。
そして静かに職員室を出た。