僅かな距離

その頃。

月城は職員室で学年主任に相談していた。

「少し気になる生徒がいて」

「証拠は?」

「ありません」

「本人は?」

「何もないと言います」

主任は困った顔をした。

「なら動きづらいな」

その言葉は正しかった。

教師は勘だけでは動けない。