僅かな距離

「……何してる。」

低い声だった。

今まで聞いたことがないくらい低かった。

女子たちは誰も答えない。

沈黙だけが落ちる。

月城は一枚の写真を拾い上げた。

そこに写っているものを見て、眉がわずかに動く。

もう状況は理解したらしかった。

「説明してくれるか。」

その言葉に女子たちが顔を強張らせる。

「違うんです。」

一人が慌てて言う。

「その……」

言い訳を探しているのが分かった。
けれど月城は最後まで聞かなかった。

「月島。」

名前を呼ばれる。

陽依の肩が震える。

ゆっくり顔を上げる。
視界はまだ涙で滲んでいる。