僅かな距離

階段を駆け上がってくる足音は、驚くほど速かった。

コンクリートを蹴る音が踊り場へ近づいてくる。

女子たちの表情が変わる。

誰か来る。

その事実に気づいた瞬間、それまで余裕そうだった顔から笑みが消えた。

陽依は涙で滲む視界のまま立ち尽くしていた。

もう何も考えられない。

呼吸も上手くできない。
胸が苦しい。
頭の中もぐちゃぐちゃだった。

そして次の瞬間、
踊り場へ現れた人影を見て、女子たちが息を呑んだ。