僅かな距離

「やめてください。」

ようやく出た声は震えていた。

女子たちは少しだけ驚いた顔をする。

だが次の瞬間。

面白そうに笑った。

「え?」

「怒った?」

「図星だった?」

その言葉に胸が締め付けられる。

違う。
そうじゃない。

そう言いたいのに、上手く言葉にならない。
陽依は唇を噛む。
目の奥が熱い。

泣きたくない。
絶対に泣きたくない。

ここで泣いたら負けな気がした。

でも、限界だった。
何日も眠れなかった。

ずっと怖かった。
ずっと苦しかった。

ずっと一人だった。

「……やめて。」

小さく呟く。

女子たちは聞こえなかったふりをした。

「何?」

「聞こえない。」

「もっと大きな声で言って。」

笑いながら近づいてくる。

陽依は一歩後ろへ下がった。
本当に怖かった。
すると女子の一人がスマホを持ち上げる。