僅かな距離

陽依はその場で立ち尽くした。

足が動かない。

呼吸も上手くできない。

視線だけが床に散らばった写真へ吸い寄せられていく。

どの写真にも月城が写っていた。

廊下ですれ違った時。
教室で話していた時。
職員室へプリントを持って行った時。

遠くから撮られたものばかりだった。

けれど、
切り取られた一瞬だけを見ると、まるで特別な関係があるようにも見えてしまう。

陽依の顔から血の気が引いていく。

どうして。
どうしてこんなに撮られているの。
いつから、どこで。

そんな疑問ばかりが頭に浮かぶ。

「すごいよね。」

女子の一人が笑いながら言う。

「こんなに集まると思わなかった。」

周りの女子たちも笑う。
その笑い声が耳に刺さる。
陽依は何も言えなかった。