僅かな距離

昼休みを告げるチャイムが鳴った。

その瞬間。

陽依の顔から血の気が引いた。

教室の中はすぐに賑やかになる。

けれど陽依には何も聞こえなかった。

耳鳴りがしている。

遠くで誰かが話しているような感覚。

現実感がなかった。

スマホが震える。

見なくても分かる。

昨日と同じ。

陽依はゆっくり画面を開いた。

短い文章。

『早く来て。』

たったそれだけ。

でも、十分だった。
胸を締め付けるには。