僅かな距離

「月島陽依。」

いつも通りの声。

聞き慣れた声。

そのはずなのに。

今日はなぜか泣きそうになった。

「……はい。」

なんとか返事をする。

声はやっぱり掠れていた。

月城は何も言わない。

けれど。
一瞬だけこちらを見ていた気がした。

気のせいかもしれない。

でも、
気づかれている気がした。

自分が限界に近いことを。