僅かな距離

陽依はベッドに横になっていた。

けれど目は閉じられない。

天井を見つめる。

暗い部屋。

静かな夜。

それなのに頭の中だけが騒がしい。

月城の言葉が浮かぶ。

『無理するなよ。』

『本当に苦しくなったら、一人で何とかしようとするな。』

優しい言葉だった。
だから苦しい。
期待してしまうから。
頼りたくなってしまうから。

陽依は目を閉じる。
そして気づく。

本当はもう限界だった。

ずっと前から。
気づかないふりをしていただけで。

一人で耐えられると思い込んでいただけで。

本当は苦しかった。

怖かった。
誰かに助けてほしかった。