僅かな距離

何も信じられなくなったのは、きっと一瞬だった。
昨日まで当たり前だった言葉も、笑顔も、全部が嘘に見えた。
誰かに期待することも、手を伸ばすことも、もうやめたはずだったのに――
その人は、太陽みたいな顔で私の前に立った。

「私に関わんないで」

それが、私が彼に向けて初めて放った言葉だった。
理由なんて、説明する気もなかった。
信じるたびに失うなら、最初から誰も必要ない。

なのに――
その人は、傷ついた顔ひとつ見せずに言った。

『俺のこと、頼ってよ』