ずっと君だけ

急がないと、急がないと...。

かわいらしさの一つもないような動きで廊下を走る。
廊下に響くチャイムの音は私の背中をせかす。

「はぁっ.......はぁ...」

息切れて壁に手をつく。

「遅い」

ぽつりと響く低く小さい声は面食らう。
悪いのは、私だ。でも............。

「ごめんなさい........」

頼りない声で呟くけれど、見上げた顔は冷たかった。


「行くぞ」

「はい....」
目の前に立っているのは佐藤陸人先輩。
一応、彼氏ということになっいる。

うつむいて、先輩の後を歩く。短い足を早く動かす。
シャカシャカと音がうるさい。

「遅い」

パシリ

頬に衝撃が走った。めがねの奥の先輩の目が鋭くこちらを向いている。


「すいません...」

 ぎり、と歯を食いしばった。
 口の中に広がる鉄の味。

 私のせいなんだ..........。