仲間と私で未来を紡ぐ

ちゃんはちの行き先はやみの部屋。
隣の部屋なので、ちゃんはちは自身の部屋から数歩歩いてついた扉をノックする。

「入っていいわよ。」

扉の向こうから聞こえた小さな声を聞き、二人は扉を開けて部屋に侵入する。
やみは窓の下にある、壁に付けられてた小さな机に向かって何かをしていた。

「ちょっとごめんね。私達外出するから家のことよろしくね」
「はいはい。行ってらっしゃいね。」
「それと、私達が一日して帰ってこなかったら中枢郷に助けを求めて。わかった?」
「…中枢郷?何故かしら。」
「とにかくお願い!まぁ多分帰ってくるけどさ!じゃっ!」
「ちょ…」

ちゃんはちはやみの言葉を聞く前に部屋を出てしまった。
残されたやみと花韮は、気まずそうに少し見つめ合う。

「…ゲーム、好きなのか?」

花韮は、やみの手元にあるゲーム機を見て呟く。

「えぇ。ゲームは私の生き甲斐よ。」
「ゲーム機はどこで買えるんだ?」
「主にHACHIモールで買っているわ。たまに中古屋に行って宝物を発掘しているのよ。」

HACHIモールとは、中枢郷にある煙花散花最大規模のショッピングモール。日用品から中々手に入らない貴重品まで全て揃っている。
実は、HACHIモールはちゃんはちが花幻郷最強に任命した際に、中枢郷からちゃんはちに向けて作られた祝いの建築物。
一万年以上も変わることのなかったその存在が大きく変化した、まさに歴史的な瞬間に建築されたものなのだ。
そんなHACHIモールには、ゲーム類が売っている店が多々ある。
おそらくこのゲーム機は、そこに売っているものだろう。

「楽しいか?」
「楽しくなかったらやってないわ。」
「それもそうだな。」

会話のネタがなくなったので、花韮はネタを探すように部屋を舐めるように見回す。
すると、机の上に花瓶に入った花を見つけた。
その花は、ちゃんはちの部屋にあった、ピンクに咲き誇るローダンセ。
もしかしたら皆の部屋にあるのか?
花韮はそう思いながらも、やみに問う。

「この花は誰から貰ったんだ?」
「前に家を出た子のうちの一人から貰ったわ。」
「…しぜいやか?」
「あら、知っているの?」

やみは意外と言うような表情で呟く。

「あぁ。まふゆと共に家を出たものだろう?ちゃんはちから話だけは聞いている。」
「そうなのね。」
「…」

花韮は、ローダンセの花を見つめる。

「その花、大切にしろよ。」
「花言葉の件でしょ?わかってるわ。」
「それなら大丈夫だな。意味がわかってないと、その花瓶を凶器にする可能性があるから一応な。」

花韮の自嘲気味たギャグに、やみは口元を和らげる。

「では、そろそろ私も行く。」
「えぇ。行ってらっしゃい。気をつけなさいよね。」

やみのその言葉に、花韮は善処すると言って部屋を後にした。