片思いのはずだった

私は、心配そうに声をかけてくれる先生たちを見ながらどこか他人事のように考えた。

そのときだった。

樹くんが「大丈夫?」と声をかけてくれたのは。

どうせ…この人も仕方なく声をかけているんだろうな…。
そう思いながらも、一応首を縦に振る。


「立ち上がれる?肩貸すから傷口洗いに行こう。」


私は正直驚いた。

周囲に「本ばかり読んでいるとっつきにくい子」と思われているのは自覚していたから。

ここまで優しくしてくれる人がいるんだ…。

樹くんはその後も保健室まで付き添ってくれた。

その日、私は一瞬にして恋に落ちた。



その日からずっと樹くんしか目に入らない。
気がつけば樹くんを目で追っている。

樹くんの一番近くにいたい。
ずっと一緒がいい。


わがままだけど…恋は誰にも止められない。

…彼女に…なりたい…。