池杉学園GOODグループ

 流されて反抗もできずに学校からの帰り道を歩く。
 帰る場所は、池杉学園から歩いて十五分ほどのところにある母さんの実家だ。平屋の一戸建てには祖父母が元気に暮らしている。
 お世話になる代わりに、なにか手伝いが出来たらとは思っているけど、二人とも孫には甘くて今のところなにもしてあげられていない。帰れば美味しいご飯が食べられるし、あったかい風呂と布団がある。この上なく幸せだ。あ、別に俺のうちが貧乏でご飯が食べられなかったり、風呂や布団がなかったわけじゃない。もちろん普通にあったし幸せに暮らしてはいた。
 けれど、四人兄弟の一番上でもある俺には、居心地がいい場所とは言えなかった。
 受験勉強だってうるさい家の中では集中して出来なかったし、やりたいゲームも弟たちの面倒を見ているとやる暇もなかった。だから、周りとの話も合わなくなって、クラスで浮いてしまうようになった。
 また、嫌な思い出がよみがえってきそうになって、俺は空を見上げた。
 日が傾きはじめた薄いブルーとオレンジ色が混じる空。心地いい風に乗って、どこかの家で焼かれている魚のおいしそうなにおいがしてくる。

「今日の夕飯なにかな」

 ぽつりと呟いて帰れば、じいちゃんとばあちゃんが笑顔で待っていてくれた。

「おかえりなさい、そうちゃん」
「おかえり、蒼輝」
「ただいま」

 玄関で靴を揃えて脱ぎ、そのまま洗面所に行って手洗いうがいをした。俺の部屋として用意してもらった奥の部屋へ行って鞄を下ろすと、制服を脱いで部屋着に着替えた。

「どうだった? 初めての学校は」

 キッチンに行くと、ご飯を茶碗によそいながらばあちゃんが聞いてくる。俺は受け取りながら、今日あった出来事を簡単に説明した。

「え! そうちゃん、生徒会に入ったのかい!?」

 ばあちゃんが驚くと、食卓についていたじいちゃんまで驚いた顔をしている。

「おお、蒼輝。それは素晴らしいことだ」

 震えて喜ぶじいちゃんに、そんなに? とは思いながらも、俺は味噌汁もテーブルに運ぶと椅子に座った。

「入ったというか、流れで入ることになったというか」
「池杉学園の初代生徒会長はな、紛れもなくこの俺だ、蒼輝!」
「……えっ!?」