「あ、えっと」
とりあえず、頭を下げたままの七条由を起こして、あわててなんでもないと首を振る。
「あれ、もしかして、蒼輝くんのおばあさまですか!?」
「え、ええ。そうですが……」
ぱああっと、全身にお花満開。イケメンオーラにアイドルスマイル。七条由というブランド全開で明るい笑顔を向けられたばあちゃんの頬がポッと桃色に染まった。
「僕、池杉学園の同じ学年同じクラスで隣同士のめちゃくちゃ仲良し、七条由と申します! わぁ、おばあさまとお会い出来るなんて嬉しいです! 今一緒に帰ってきて、僕が蒼輝くんのお家で遊びたいってわがまま言ってたとこなんですよ。図々しいですよね、まったく僕ってば」
目の前で次々と身振り手振りで話し始める七条由は、最後にてへっとかわいらしく笑って見せるから、開いた口が塞がらない。
だから、誰だよ、お前は。
「そうちゃんのお友達!? まぁ、嬉しい。しかもこんなイケメン! いいのよ、遠慮なんてしなくて。ご飯も食べていってちょうだい」
ばあちゃんまで顔を明るくしてノリノリで返事をしているから、驚くしかない。
突っ込む間もなく、そのまま二人は玄関に入っていってしまうから、また俺は流されてしまっていると自覚しつつ、さっき助けてもらった恩もあるなと、なぜか七条由と夕飯を共にすることになった。
「うん、うん。大丈夫だよ。ちゃんとご挨拶もしたし。うん、ご飯いただいたら迎え呼ぶね」
俺もまだ慣れていない部屋の中に、七条由が座っている。そして、自分の家に俺の家でご飯を食べてから帰ると電話を入れている。『ご飯の用意が出来るまで部屋でゆっくりしていてね』と言って、ばあちゃんはキッチンにいった。じいちゃんは近所の友達の家に行っていて、まだ帰ってきていない。
いきなり、どういう状況だこれは。
「ってことで、親はええって。にしても、ここが工藤蒼輝の部屋かぁ」
きょろきょろと辺りを見回してため息をつくから、なんだかイラッとする。
「なんもないやんか」
「当たり前だろ。こっち来たばっかなんだから」
必要のあるものだけしか持ってきていないし、そもそも俺はそんなに物を欲しがったり買ってもらったりはしていない。
「ふぅん、でも、なんかええな。俺の周り何でもかんでもありすぎて、なんもない部屋たまにはええかも」
ゴロンっと倒れ込んで部屋の真ん中に七条由は寝てしまう。嫌味を言われた気もするけれど、畳の上に寝転がるのは俺も好きだからまぁ、気にしないでおこう。
「なんか、ばあちゃんの匂いするなぁ」
「ばあちゃんちだからな」
「いや、ちゃうて。俺のばあちゃんの匂いとおんなじやなってこと。しばらく会うてないけど、元気にしとるんかな」
懐かしむように目を閉じる七条由。
「七条由のばあちゃんはどこにいるんだよ」
「神戸やったかな。一回だけうちに遊びにきてん。そん時に一緒に出かけて泊まったりして、それきりやな。たまにうまい酢とか果物とかぎょうさん送ってくれるんやけど」
「え、だから関西弁しゃべってんの? 小さい頃はばあちゃんと暮らしてたとか?」
それで訛りが残ってるのか?
「いや? 関西には居たことない」
「……え?」
「関西居たことないやつが関西弁喋ったら悪いんか?」
むくりと起き上がってこちらを睨むから、俺は無言のまま首を振る。
「逃げ、みたいなもんや。友里の言うた通り、小さい頃から俺は甘やかされててん。ずっとなんでもかんでも恵まれてて、みんなに優しくしてもろて。嬉しい反面、たまに悪い自分も心の中に現れんねん。それを、特定の人らだけに見せてるってだけなんよ」
やけに今日は素直だし、自分のことを話してくれるなと少し警戒しながら話を聞いていた俺は、さっきのことを思い出す。
「ってか、さっきのは良いのかよ? あいつらマジで自分たちだけ楽しけりゃいいって、人のこととか考えない奴らだし、今頃七条由が実は関西弁喋る怖いやつだったとかSNSで発信してるかも」
あわてて、俺は机の上に置いていたスマホを手に取って検索をかける。
とりあえず、頭を下げたままの七条由を起こして、あわててなんでもないと首を振る。
「あれ、もしかして、蒼輝くんのおばあさまですか!?」
「え、ええ。そうですが……」
ぱああっと、全身にお花満開。イケメンオーラにアイドルスマイル。七条由というブランド全開で明るい笑顔を向けられたばあちゃんの頬がポッと桃色に染まった。
「僕、池杉学園の同じ学年同じクラスで隣同士のめちゃくちゃ仲良し、七条由と申します! わぁ、おばあさまとお会い出来るなんて嬉しいです! 今一緒に帰ってきて、僕が蒼輝くんのお家で遊びたいってわがまま言ってたとこなんですよ。図々しいですよね、まったく僕ってば」
目の前で次々と身振り手振りで話し始める七条由は、最後にてへっとかわいらしく笑って見せるから、開いた口が塞がらない。
だから、誰だよ、お前は。
「そうちゃんのお友達!? まぁ、嬉しい。しかもこんなイケメン! いいのよ、遠慮なんてしなくて。ご飯も食べていってちょうだい」
ばあちゃんまで顔を明るくしてノリノリで返事をしているから、驚くしかない。
突っ込む間もなく、そのまま二人は玄関に入っていってしまうから、また俺は流されてしまっていると自覚しつつ、さっき助けてもらった恩もあるなと、なぜか七条由と夕飯を共にすることになった。
「うん、うん。大丈夫だよ。ちゃんとご挨拶もしたし。うん、ご飯いただいたら迎え呼ぶね」
俺もまだ慣れていない部屋の中に、七条由が座っている。そして、自分の家に俺の家でご飯を食べてから帰ると電話を入れている。『ご飯の用意が出来るまで部屋でゆっくりしていてね』と言って、ばあちゃんはキッチンにいった。じいちゃんは近所の友達の家に行っていて、まだ帰ってきていない。
いきなり、どういう状況だこれは。
「ってことで、親はええって。にしても、ここが工藤蒼輝の部屋かぁ」
きょろきょろと辺りを見回してため息をつくから、なんだかイラッとする。
「なんもないやんか」
「当たり前だろ。こっち来たばっかなんだから」
必要のあるものだけしか持ってきていないし、そもそも俺はそんなに物を欲しがったり買ってもらったりはしていない。
「ふぅん、でも、なんかええな。俺の周り何でもかんでもありすぎて、なんもない部屋たまにはええかも」
ゴロンっと倒れ込んで部屋の真ん中に七条由は寝てしまう。嫌味を言われた気もするけれど、畳の上に寝転がるのは俺も好きだからまぁ、気にしないでおこう。
「なんか、ばあちゃんの匂いするなぁ」
「ばあちゃんちだからな」
「いや、ちゃうて。俺のばあちゃんの匂いとおんなじやなってこと。しばらく会うてないけど、元気にしとるんかな」
懐かしむように目を閉じる七条由。
「七条由のばあちゃんはどこにいるんだよ」
「神戸やったかな。一回だけうちに遊びにきてん。そん時に一緒に出かけて泊まったりして、それきりやな。たまにうまい酢とか果物とかぎょうさん送ってくれるんやけど」
「え、だから関西弁しゃべってんの? 小さい頃はばあちゃんと暮らしてたとか?」
それで訛りが残ってるのか?
「いや? 関西には居たことない」
「……え?」
「関西居たことないやつが関西弁喋ったら悪いんか?」
むくりと起き上がってこちらを睨むから、俺は無言のまま首を振る。
「逃げ、みたいなもんや。友里の言うた通り、小さい頃から俺は甘やかされててん。ずっとなんでもかんでも恵まれてて、みんなに優しくしてもろて。嬉しい反面、たまに悪い自分も心の中に現れんねん。それを、特定の人らだけに見せてるってだけなんよ」
やけに今日は素直だし、自分のことを話してくれるなと少し警戒しながら話を聞いていた俺は、さっきのことを思い出す。
「ってか、さっきのは良いのかよ? あいつらマジで自分たちだけ楽しけりゃいいって、人のこととか考えない奴らだし、今頃七条由が実は関西弁喋る怖いやつだったとかSNSで発信してるかも」
あわてて、俺は机の上に置いていたスマホを手に取って検索をかける。



