遠い遠い君。

「あら?一条(いちじょう)さんあなたはあの輪に入らなくて?」


「西園寺さん⋯私にはよく分からないから」


西園寺麗華(さいおんじれいか)さん。クラスメイトで父が生きていた頃の幼稚園から一緒の幼なじみ。昔はよく遊んでいたのだけれど父が亡くなった頃からきつい態度になり少しづつ遊ばなくなった。

こうして声をかけてきてくださるけどいつも自慢話のようなもの、そして最後には⋯


「まぁお父様を亡くしてる一条さんには家で堂々とテレビを見る図々しさはお持ちじゃないかしら?
あのお母様とお義父様じゃあ⋯ね」


いつもこうやって私を見下す。でも否定なんてできない。だって事実ですもの。



「そうね、将来のためにも今日も勉強に励みますわ」


こんなことしか言えない。励むしかない。将来家を出るために。