ポンコツ御曹司の初恋は…

~~~五月~~~

バーで会った翌日から司さんの変化が凄すぎる。
夜には必ず電話がある。もちろん毎日会ってるから一回で済んでいるのかもしれないけれども…。
メッセージに関してはとんでもなく送られてくる。ただ、課長の目が気になるから返信はしていない。…だから、役員室に呼び出される。
うちの課に来る勢いだったから、さすがに止めたんだけど。
「あの、仕事になりません。メッセージはどうしても必要なときだけでお願いします」

「ランチに誘おうと思ったんだけど…」
本部長は暇なのですか?
「ランチは薫と行きます。これからもずっと」
柏原君が隣で笑ってる。
「本部長にそんなに強く言えるのって瀬戸だけだな」
だって、まったく…。
「あと、創業記念パーティーなんだけど、一緒に来てくれるよね?」
それ今言わないとダメな話?
黙ってると、司さんの頭に垂れ下がった耳が見えてきた。

そんな煌びやかなとこ、本当は行きたくない。
でもいつかは行かないとダメなら早く済ませた方が良いのかもしれない。
しょうがない。頷くと、司さんの顔がぱーっと明るくなった。
「今日の帰り、ドレスとか見に行こう」

「さぁ、本部長、瀬戸からご褒美を貰うんだったら、定時までに仕事を片付けてくださいね」

まるで柏原君は司さんの調教師だな。
二人の掛け合いを見て仕事に戻った。