ポンコツ御曹司の初恋は…

まだ一時間以上前なのにいつから来てるの?
司さんの前にあるグラスは空になっていた。

「断っていながら呼び出してごめんなさい。私の思い込みかも知れないって、ちゃんと話をした方がいいって柏原君が…」
司さんの顔が変わった。
「また俊輔か…、さっちゃん、正直に言って。今、誰の事が頭の中にある?」
なんか話が噛み合わない。
「司さんです。私の頭の中は司さんの事でぐちゃぐちゃになってます」

「さっちゃん、どうして今頃そんなことを言うの?
そんなだから、いつまでたっても諦められない」
分からないのは司さんのほうだ。
「司さん、私にパートナーになってって言いましたよね」
何杯目か分からないけど司さんは飲み続けている。
「パートナーってなんなんですか? 私、愛人とか無理だし、一生セフレも嫌なんです」
司さんは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。
「なんでそうなる? 俺はさっちゃんが、今すぐ結婚したくないって言ってたから、とりあえず今はステディでも、いずれ気持ちが代わったら結婚したいと思って…、とりあえず今度の創業記念パーティーにパートナーとして出席して欲しいと思って言ったんだ。みんなに俺のパートナーだって御披露目したいと思っていたのに…」

えっ?
勘違いなの?
パートナーとかステディとか、理解するのが難しい言葉は使わないで欲しい。

「だって司さん、私の事好きなんですか?」