ポンコツ御曹司の初恋は…

なんかいつもと違う柏原君だ。
「あぁ、司と会長が一緒に出ていったから早く上がれたんだ。早く座って、飲も」
なんか同期と言うより同級生って感じ。
「聞きたいことあるんだろ」
そうだ。
そのために来たんだった。
「なぁ、瀬戸は俺の事どれだけ覚えてる?」
えっ?
聞きたいのに質問ですか?
「う~ん、小学生の頃かな。学級委員やってたよね」
頭がよくて、運動神経も良い。ビジュアルも良いからみんなのあこがれだった。
「なら、司は?」
司さん?
この前ホテルであって…、なんて言えるわけがない。
「転校生の男の子、覚えてない? ドイツからの転校生」
そんな子いたような…。
「あれ、司」
えっ?
「虐められてたのを瀬戸に助けてもらって、意識するようになったんだって。で、また転校することになって、学級委員だった俺に瀬戸の近況を教えて欲しいって頼まれたわけ」
そんな昔から会ってたんだ。
「だから真面目に手紙を送った。その頃はスマホなかったし」
いや、そんな昔から、ってかいつまで続いたの?
「ずっと瀬戸の事見てたんだけど気付かなかった? 高校生の時、告白されたのにすぐ振られることになったりとか、とにかく誰とも付き合ってなかっただろ」
そう、みんな彼氏が出来てるのに私だけ…って、私の黒歴史まで知ってるなんて。
「あれ、俺が潰してた。瀬戸には許嫁がいるとか言って」
はぁ?
そんなもんいませんが!
「高校卒業まで言いふらしてたから、大学でもある程度効果はあった」
なぜそんな余計なことを!
「その件については司はなにも知らない。俺が勝手にやったことだから。司以外、誰とも付き合って欲しくなかったから」