ポンコツ御曹司の初恋は…

婚約者じゃなかったんだ。
それでもやっぱりセフレなんて私には似合わない。

「話しはそれだけなら、休憩時間もあまりないから、もう戻りますね」

婚約者がいないならセフレでも良いと思ったんだろうか。
確かに結婚はまだ考えてないと言ったけど、セフレとはやっぱり違う。
そんなに普通の恋愛が難しいのかな。
そもそも普通ってなんなんだろう。

デスクに戻ってもまだ誰も戻ってはいなかった。
給湯室に行くと、『こんな時よく堅太郎と会ってたな』なんて思い出した。
あれからまだそんなに経っていないのに。

そこへ柏原君がやってきた。
「司と一緒じゃないの?」
そうだ、柏原君は私よりもよく知ってるって、以前言ってたな。

「うん、ご飯食べてもう帰ってきたの」
なんて聞けば良いんだろう?
「ところで私の知らない事ってどんなこと?」
なんとなく気になった。
そんな凄いことだとは思わないからすぐに答えてくれると思っていた。
うつむいて…、何を考えてるんだろう。
「今日の定時後、空いてる?」
空いてはいるけど…。
「終わったら、この前の店まで来て。ちゃんと話すから」
簡単には話せないこと?
緊張するけど、ちゃんと聞いておきたい。
「わかった」

とりあえず仕事に戻ろう。
今考えても、答えは出ないから。