普通さ、見物人なんかがいるはずじゃないのかな。こんな片田舎で罪人が殺されかけてたら面白半分で見にくるだろ。なんで誰もいないんだよ。
ハハッと己自身を嘲笑する乾いた笑い声はスッと呑まれて消える。
俺の首が落とされるその時、青々としたいつかの故郷が目の前に広がった。子供らが畦道を走り回っているんだ。そして、一人の少年と目が合う。少年は不思議そうに俺を見つめたりして。仲間らに何かを伝えるとソイツらは少年を馬鹿にして笑っている。けれども少年の隣にいる少女だけは首を傾げながらこちらを覗ってるみたい。
——ねえ、お邦ちゃん。
まるであの頃の俺らのようだ。
命尽きるこの日まで俺は懸命に生きてきたつもりだよ。
少年たちに笑いかけた。
首はギュッと落ちた。



