ガラス越しの恋

あれから3時間経っても光臣くんも来ないし、連絡もない。

手袋をしている指先も感覚がなくなってきている。


「色気づいてワンピースなんてはいて来るんじゃなかった。もう帰る。達久にお風呂ためておいてもらおう」


帰る決意を固めて弟に電話をかけようとケータイを開こうとしたら、指に感覚がなくて地面に落ちてしまった。

コンクリートの上に雪が積もっているせいか数メートル滑って行ってしまった。