スーツでも作業着でもない。私服だ。
当たり前なのに、妙に新鮮だった。
「それが飛ばされない格好ですか?」
イヤホンを指にくるくる巻きながら言う。
「一応、重心低めにしたんだよ」
「ミシュラン期待したのに」
「だってそれは…」
言いかけて、ムキになればなるほど、仮面が剥がれてしまうことに気づく。
「それは、の続きは?」
首をかしげる仕草をしているが、彼はおそらく確信犯。
もうすでに負け試合をしているような。
────楽しみにしてたから。少しはお洒落したかった。
顔に書いて、あとは察してねという表情を押し出したものの、彼に伝わってはいないだろう。
迅和くんの視線が一瞬、足元を見て、それから顔に戻る。
「会社とはまた違う雰囲気ですね、紗菜さん」
彼の最大の特徴というか、欠点というか、話し方に温度がないのがつらい。
「どういう意味?」
「いい意味ですよ」
さらっと返されて、言葉に詰まる。
当たり前なのに、妙に新鮮だった。
「それが飛ばされない格好ですか?」
イヤホンを指にくるくる巻きながら言う。
「一応、重心低めにしたんだよ」
「ミシュラン期待したのに」
「だってそれは…」
言いかけて、ムキになればなるほど、仮面が剥がれてしまうことに気づく。
「それは、の続きは?」
首をかしげる仕草をしているが、彼はおそらく確信犯。
もうすでに負け試合をしているような。
────楽しみにしてたから。少しはお洒落したかった。
顔に書いて、あとは察してねという表情を押し出したものの、彼に伝わってはいないだろう。
迅和くんの視線が一瞬、足元を見て、それから顔に戻る。
「会社とはまた違う雰囲気ですね、紗菜さん」
彼の最大の特徴というか、欠点というか、話し方に温度がないのがつらい。
「どういう意味?」
「いい意味ですよ」
さらっと返されて、言葉に詰まる。



