後ろに設置してあるホワイトボードに、道路交通設備課の人間で現場にまだいるメンバーを笹原さんと二人で確認する。
「若林四ツ角交差点か…、ここにまだ迅和がいればワンチャンすぐに行けるかな?」
笹原さんが見つけた、迅和くんの名前。
事務所の空気が、私たちの会話を聞いて張り詰めた。
近くにいた同僚も、こちらに集まってくる。
私はすぐに再び受話器を取った。
道路交通設備課の、彼の専用番号。
コール音が鳴る数秒が、妙に長い。
『はい、佐藤です』
低く、落ち着いた声。
その一言だけで、心拍がほんの少しだけ整う。
「総務部の佐藤です。緊急です。迅和くん、青葉橋交差点にすぐ行けますか?歩行者信号固着、車両側は赤固定。大至急でお願いしたいです」
できるだけ短く、正確に。
でも声の奥で、別の感情がざわめいていた。
口には出せないその気持ちが、胸の内側で何度も反響する。
『了解。向かいます』
通話が切れた瞬間、私は受話器を置いたまましばらく手を離せなかった。
「若林四ツ角交差点か…、ここにまだ迅和がいればワンチャンすぐに行けるかな?」
笹原さんが見つけた、迅和くんの名前。
事務所の空気が、私たちの会話を聞いて張り詰めた。
近くにいた同僚も、こちらに集まってくる。
私はすぐに再び受話器を取った。
道路交通設備課の、彼の専用番号。
コール音が鳴る数秒が、妙に長い。
『はい、佐藤です』
低く、落ち着いた声。
その一言だけで、心拍がほんの少しだけ整う。
「総務部の佐藤です。緊急です。迅和くん、青葉橋交差点にすぐ行けますか?歩行者信号固着、車両側は赤固定。大至急でお願いしたいです」
できるだけ短く、正確に。
でも声の奥で、別の感情がざわめいていた。
口には出せないその気持ちが、胸の内側で何度も反響する。
『了解。向かいます』
通話が切れた瞬間、私は受話器を置いたまましばらく手を離せなかった。



