月が青く染まる夜に

私はキーボードを叩き、該当の交差点を呼び出した。
制御ログに、赤いエラー表示がいくつも並んでいる。

────まずい。


受話器の口元を塞ぎ、事務所にたまたま残っていた営業課の笹原さんを見つけて呼ぶ。

「笹原さん!すみません、ちょっといいですか?」

「どうかした?」

笹原さんは帰りがけだったらしく、コートにバッグ姿だったものの、私の顔があまりにも焦っていたからかすぐに飛んできた。

そして、パソコンの画面を見て顔色を変える。

「なるほど、ヤバいねこれは」

「今、外に出てる人で青葉橋交差点に一番近くにいる人って誰かいないですかね?大至急、現場に行ってもらいたくて」

早口でそう言うと、私の言葉が終わらないうちに笹原さんも隣の真奈美さんの席に座って素早くパソコンを操作し始めた。

その間に、電話の向こうにいる女性を安心させるように声をかけた。

「ご連絡ありがとうございます。今すぐ対応しますので、安全な場所へ避難していただければと思います」

急いで、でもなるべく丁寧にお礼を言い、外線を切る。