月が青く染まる夜に

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単身者向けのマンションは、オートロック。
築浅のきれいな物件を探して、数年前にたどり着いたこのマンションは、とても住みやすい。


鍵を取り出してドアを開けたものの、迅和くんには明らかに緊張の色が見えた。

「どうぞ」

声をかけて、やっと玄関に入る。
足の踏み入れ方さえも、かなり慎重だった。

ぎこちなく「お邪魔します」と彼が靴を揃えた時、私はひとつ言い忘れていたことを思い出した。

「あっ、迅和くん。前にも話したけど、私…」

「シャーーーーーッ!!」

 低く、鋭い警報音が廊下に響いた。

 迅和くんが、玄関でそのまま固まる。

「……今の、なに」

「ちくわ。猫飼ってるって話したよね」

「聞いた。聞いたけど、猫ってこんな音出すの?」

ここまでの音は私も聞いたことはなかったので、曖昧にうなずく。