月が青く染まる夜に

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ロビーの受付で、何列か列を作って部屋ごとの鍵を受け取っていた。

間を置かず、部屋に荷物を置いたら今度は親睦会の会場へ向かわなければならない。
ちょっと横になって……なんてやってしまったら、たぶん朝まで目が覚めないと思う。


真奈美さんが列に並んでくれている間、私は一泊分の自分の荷物と、彼女の大きなショルダーバッグを肩にかけて待っていた。


「あ、紗菜さん」

午前中とは逆に、迅和くんが私を見つけて声をかけてくれた。

「ありがとうございました。総務部のおふたりがいなかったら、意見を押し切られていたかもしれないです」

正直すぎる感想に、私は吹き出してしまった。

「そんなことないよ。現場の裏付けがあるからこそ、の意見だもの」

視線が合う。
ただ並んでいるのに、川の音が一瞬遠のく感覚。

これ以上ないくらい、充実した気持ちがそこにはあった。

でもそれだけじゃない。
この人となら、非常時でもブレない。確信が持てた。


連理渓の外、川が流れている。
系統のように、途切れずに。