月が青く染まる夜に

ようやく、長い研修の一日が終わろうとしている。

主任が締めに入ろうと、立ち上がった。
「重要なのは、部署をまたいだ同時進行だ。単独では守れない」

言葉の重みは、ごもっとも。
ひとつの部署だけでは、なにもできない。
すべての関係部署が協力してこそ成り立つ、安全と安心。


私は静かに息を吐く。

私は現場の人間ではない。
でも、現場を支える人間ではある。


「ここでの研修をそれぞれ持ち帰って、部署内での今後に役立てていきたいと思います。そうやって支え合ってこれからも頑張りましょう」

主任の目が、腕組をする経理部長へと向けられる。
終始表情が硬かった部長への、配慮の目線。

ここでやっと経理部長の顔が、ほんの少し和んだ気がした。

「…まあ、そうだな。なにか起きたら、その都度こうやって議論────相談しながら、素早い判断と対応で進めていこう」


この言葉で、研修は終了となった。


隣で大げさなくらい、真奈美さんが背伸びをする。
「くぅーーーっ。ひと山こえたぁ」
と、晴れやかな笑顔。

彼女のその先には、大好きなアルコールが待っているに違いない。