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現場へ向かうバスの中で、隣同士に座る真奈美さんと追加で配られた資料をめくっていた。
『テーマ:系統安定化と実地確認』
まだ朝の気配を残している連理渓は、川霧に包まれていた。
先ほどの討論がまだ頭に残っている。
VCB更新。保護協調。整定値見直し。
温泉地なのに、思考は完全に配電盤の中だ。
心が安らぐ瞬間など、今はどこにもない。
「これより、設備実地確認に参ります」
ぞろぞろとバスを降りて、講師男性を先頭にして今度は徒歩で移動する。
湿気と冷たい空気が肌を刺激して、指先の温もりが急に奪われていく感じ。
漂う危うい足元を滑らないように気をつけて歩いた。
今度は座学ではない。
研修施設のバックヤードにある受電設備を使った実地確認。
簡易ながら本物のキュービクル。
講師男性と主任が協力して扉を開ける。
瞬間、金属の匂いが鼻をついた。
続けて、わずかな油の残り香。
説明するように、講師が資料を抱えながらぐるりと見回した。
「ここが主遮断器です。定格は6.6kV、400A。さっき議論した通り、更新候補となります」
迅和くんが興味深げにいの一番に盤内を覗き込む。
そしてすぐに、なにかに気づいたみたいに視線だけを上げた。
現場へ向かうバスの中で、隣同士に座る真奈美さんと追加で配られた資料をめくっていた。
『テーマ:系統安定化と実地確認』
まだ朝の気配を残している連理渓は、川霧に包まれていた。
先ほどの討論がまだ頭に残っている。
VCB更新。保護協調。整定値見直し。
温泉地なのに、思考は完全に配電盤の中だ。
心が安らぐ瞬間など、今はどこにもない。
「これより、設備実地確認に参ります」
ぞろぞろとバスを降りて、講師男性を先頭にして今度は徒歩で移動する。
湿気と冷たい空気が肌を刺激して、指先の温もりが急に奪われていく感じ。
漂う危うい足元を滑らないように気をつけて歩いた。
今度は座学ではない。
研修施設のバックヤードにある受電設備を使った実地確認。
簡易ながら本物のキュービクル。
講師男性と主任が協力して扉を開ける。
瞬間、金属の匂いが鼻をついた。
続けて、わずかな油の残り香。
説明するように、講師が資料を抱えながらぐるりと見回した。
「ここが主遮断器です。定格は6.6kV、400A。さっき議論した通り、更新候補となります」
迅和くんが興味深げにいの一番に盤内を覗き込む。
そしてすぐに、なにかに気づいたみたいに視線だけを上げた。



