月が青く染まる夜に

迅和くんが手を挙げ、すぐに講師が「どうぞ」と促した。

「現場の意見としては、まず主遮断器は真空遮断器、VCBで更新が妥当です」

彼は資料にじっと目を落としたまま続ける。

「現状の油入遮断器は保守性も悪いし、遮断性能も落ちてます。それとOCRの整定値、これ0.8秒ですよね?二次側まで影響出ます」

隣にいる高玉課長をはじめ、保全部ベテランがうなずく。
そして課長が加勢するようにつけ加える。

「先月の点検で絶縁抵抗も1.0MΩ切りかけてた。湿気が抜けない盤なんだ」

…湿気か。
悩ましい状況に、私も真奈美さんもまだ何も言えないでいた。