授業がいつも通り始まって、終わる。
「はい帰りの準備終わりましたね〜。部活無しです、さようなら!」
みんなが帰った後、先生に声をかけられる。
「あぁ、天石さん」
「部活についてだけど、うちの生徒達は1割しか入ってないから。別に天石さんも入らなくて良いのよ?」
「ほいじゃさよなら〜」
先生のさらっとした一言に私はびっくり仰天した。
部活に入っているのはごく僅かなの……?
みんな、お父さんやお母さんの仕事の手伝いをするのに忙しいのかな。私は、宿題と読書とお母さんの家事の手伝いしかする事はない。
ふと、今日の早朝の出来事を思い出して、また胸の中がごちゃごちゃになる。
グループには、「姫」という役割がある。「姫」は、溺愛されたりいい暮らしをしたりする。
華鈴ちゃんは、クラスの中でもふわっとした、でも芯のある女の子だ。
友達からの信頼だって厚いはず。
darknessって、評判が悪いんだよね……。華鈴ちゃんは、嫌われてはない。
それか、友達に、一言も言ってないとか?いや、それは難しいよね。
でも華鈴ちゃんは言ってないかもしれない。
華鈴ちゃん、危ない事されてないかな。でも、朝の様子を見ても華鈴ちゃんがヒヤヒヤしているのは感じ取れなかったから良いのかな。
「咲希ちゃん?」
うわっ。いつの間にか華鈴ちゃんに考えているところ見られてた!
「どうかしたの?darknessの事モヤモヤしてた?」
「う、うん。部外者の私が首突っ込んで良いのか分からないけど、華鈴ちゃん、姫なんだよね」
「そーだよ〜」
平然とこたえる華鈴ちゃんにギョッとする。
「darknessの姫って、怖くないの?」
「怖いとか、そういうのは感じない。darknessは、他にも姫候補がいるの。期待なんかしてない。一途の真反対だよ、本当」
「嫌じゃないの?」
「権力が全てじゃないって、思ってる。でも、お父様お母様は、『姫になる事は栄光を掴んだも同じ』と仰っているの」
「他の姫候補にも嫌がらせされるし、前は冷水もかけられそうにになっちゃった」
「でもさ、家族の期待には応えなくちゃね」
私は全然知らない世界に、この学園のみんなは住んでいる。期待に応えるのなんて当然なんだな。
私がこの世界にいるとしたら……間違いなく一瞬で社会抹殺だ。
「咲希ちゃん、重苦しい話しなくて帰ろー!方向同じだったよね、嬉しい!」
私、特別寮に住む事になってるんだ。息が詰まる。
でも、明日からだ。特別寮の住人に、明日から私はなる。
華鈴ちゃん、ごめんね——。
傘をさして、私達2人は帰った。
また朝になった。
みんな高級車に乗って時々笑いながら登校していた。
「あっ。glowの方々よ!美形美形」
そして、そのglowの人達も登校している。姿もそれぞれ個性的で、眩しい。
何やらコソコソ話し合っている。「あの子はさ……」「入らせる?」私の事を見ながら言っている。
「おはよう咲希ちゃ〜ん」
「おはようございます!……華鈴ちゃん、今日も可愛い」
「ふふっ、そんな事言わないでよ〜」
華鈴ちゃんと会えた。
ちょっと緊張が解れて、肩を下ろす。
「伊集院様とのお約束はどうなったの?」
え?あ、そういえば。約束してた。約束を忘れるだなんて、私、無責任すぎるよ……っ。
「あ……。入らない、よ。入らない」
「そっかぁ」
華鈴ちゃんは頷く。
「あら、入らないのね。ふぅん」
本人がいつの間にかいるじゃん。どうしよっ。
「やばいぞ」「伊集院様のお通りだわ」「今日も絶世の美人!」みんなの声がかすかに聞こえる。
「どこが気に入らないのかしら?」
「えっ、と」
返答に困ってしまった。なんて答えればいいの?
「伊集院」
ちょっと低くて、でもしっかりとした美声の持ち主。一回見た人だ。
「あら、ダイヤモンド様」
この人はダイヤモンドっていうのか。外人?有り得るかも。
「何してた」
途端に伊集院さんの目つきが凍る。
「いえ、何もしておりませんわ」
「朝、見た。朱鷺に暴力振るってたの」
「……っそんな事してないわよ!」
急に口調がキツくなった。
「後、天石を問い詰めてたのも、見た」
見てたのね……。
「天石さ、うちの寮入るんだろ」
爆弾投下!すぐにみんなにバレるかもだけど、当分は知られたくないよ!!
「「そうなの?!」」
「そうそう♡よろしくね、咲希ちゃん♡」
隣から、ひょこっと髪が黄色くてラブリー系の男の子が顔を出した。
「「トパーズ様!!」」
トパーズって名前なんだな。確かにトパーズは黄色だ。
「へ、へぇ、そうなのね。精々頑張れば」
……頑張りますぅ。
「伊集院。勘違いしてたら悪いが、天石は、ただの特別寮の住人じゃない。glowの姫ポジション」
「そ、その役割は、私のはずです、ダイヤモンド様!だって……咲希さんは、私を虐めてきたんです……。で、でもっ。本人は、悪気があってやっている訳ではないと思いますから……っ」
そこに、麗香さんの取り巻き?さん達が現れる。
「転校生さん、初めまして。私は、八乙女涼華。……麗香様を虐めたんですって?タダじゃおかないわ。なのに麗香様は、天使のような心で、『咲希さんは悪くない』って言うんですよ。glowの姫は、天使様にお任せするべきです。glowに人を虐める穢れが居ては」
「あっそ」
突き放したダイヤモンドさん。麗香さんを鋭く突き刺すような瞳は冷ややかすぎる。
「八乙女は伊集院の事、天使だと思っておけば」
「なっ……!麗香様は聖女なんです!ダイヤモンドさんも知っているでしょう」
ダイヤモンドさんは私をちょっと見て、言った。
「決まっている事は変えられない。じゃあ」
ダイヤモンドさんは、何事も無かったかのようにスタスタとグループの人達との会話に戻っていった。
「……っもう。あんた達って」
「本っ当に、目障りだわ」
華鈴ちゃんがボソッと呟く。
「天石さんをグループに入れる件は、無しになったのですよね」
「ええ。こーんな人が、グループに入れる訳無いでしょう?」
「天石さんの邪魔は、しないで下さい。伊集院様達が天石さんに嫌がらせをしても、ダイヤモンドさんが伊集院様に向ける視線は変わりません」
取り巻きの人達が、華鈴ちゃんを冷たい目で見る。その中の、一際目立つ女の子、八乙女涼華ちゃんが言い放った。
「伊集院様は、学園の平和のために、ダイヤモンド様を気にしているのよ。下々のあんたが言わないでほしいものね」
そして、伊集院様達は高らかに笑いながら(怪しくほくそ笑みながら)校舎に入っていった。嵐が過ぎ去ったみたいだっ……。
「咲希ちゃん、行こ行こ!」
華鈴ちゃんの明るい声に励まされ、私は教室に足を運んだ。
思ったけどこの学園、虐めとか弄りとか、多そうな気がする。ううん、気がするじゃなくて、本当にそう。
上位層が下位層を軽く扱っているというか。私はもちろん下位層。
ぐるりと着いた教室を見回してみる。ここ、令和の平安時代⁇
「皆さん、おはようございます!今日は担任の室原先生がお休みなので、私、副担任の夜凪翠が担当しますね〜」
「やったー、夜凪先生よ!」「夜凪先生、美人だし賢いし運動もできるって噂!文武両道」生徒達の声が聞こえてくる。
そんなに人気な先生なのか、楽しみ!
みんなの噂通り、夜凪先生は面白いし要点がしっかりとわかる。適度に雑談も交えていた。
「これで終わりです。宿題は、教科書のページ94から124とドリルの12番と13番と14番!後、板書してある問題数問も解いてみてね。先生のお気に入りの問題が詰まってるので、お楽しみに!」
ちょっとページをぱらっとめくってみる。確かに、良い問題だな。今回学習した事をちゃんと復習できそう……!
「2時間目、サイエンス!(理科だよ)実験いっぱいやるからね。前計画立てたし、準備バッチリ。安全に気を付けて!」
「じゃあ5分休憩!お喋りに夢中にならずに、水分補給やお手洗いの時間です」
淡々と言葉を発していく先生は、すぐに私の憧れになったんだ。
——5分休憩。
先生に『お喋りに夢中にならずに』と言われているのに、大体の生徒はみーんなお喋り。しかも、家の話題ばっかり。
その中に、転校初日に見かけた、香里奈、ちゃんがいた。煌輝の校則はユルいらしく、センスの良いメイクが顔に施されていた。
「あのっ」
思わず声に勢いをつけてしまった私に、香里奈ちゃんは笑顔で、
「転校生の子?天石咲希ちゃんだったかな。私、藤堂香里奈!よろしくね」
「よ、よろしくお願いしますっ!香里奈ちゃん、可愛いオーラが出てますね。メイク、今度教えてほしいんですが、良いでしょうか」
「もち!咲希ちゃんに似合うメイク、教えちゃう!咲希ちゃんのイメージカラーは、紫とか?神秘的〜」
香里奈ちゃんはメイクに協力してくれるみたい。私、2人目の友達が出来ちゃうかも。だったら嬉しい。
私は、元々喋るのが得意では無い方。コミュ障では無いけど、友達の話の輪に入ったりするのが苦手。
あ。私は、遠くからダイヤモンドさんがこっちを見ている事に気づいた。
目が合うと、ダイヤモンドさんは顔を赤くして、目を逸らしてしまった。
怒らせちゃったのかも……。はしゃぎ過ぎた、かな。
5分休憩終了。
また授業に戻り、ランチの時間が過ぎ、帰りの時間になった。
ん?机の中に、手紙が入ってる。誰から?
手紙の内容はこう。
『天石咲希へ
姫ポジよろしく
寮はこちら』
とご丁寧に地図まで添えられていた。多分、glowの皆さんからだ。
華鈴ちゃんには申し訳ない気持ちでいっぱいだけど、頑張ろう。glowの皆さんと釣り合わないかもだけど、精一杯ベストを尽くそう。
「はい帰りの準備終わりましたね〜。部活無しです、さようなら!」
みんなが帰った後、先生に声をかけられる。
「あぁ、天石さん」
「部活についてだけど、うちの生徒達は1割しか入ってないから。別に天石さんも入らなくて良いのよ?」
「ほいじゃさよなら〜」
先生のさらっとした一言に私はびっくり仰天した。
部活に入っているのはごく僅かなの……?
みんな、お父さんやお母さんの仕事の手伝いをするのに忙しいのかな。私は、宿題と読書とお母さんの家事の手伝いしかする事はない。
ふと、今日の早朝の出来事を思い出して、また胸の中がごちゃごちゃになる。
グループには、「姫」という役割がある。「姫」は、溺愛されたりいい暮らしをしたりする。
華鈴ちゃんは、クラスの中でもふわっとした、でも芯のある女の子だ。
友達からの信頼だって厚いはず。
darknessって、評判が悪いんだよね……。華鈴ちゃんは、嫌われてはない。
それか、友達に、一言も言ってないとか?いや、それは難しいよね。
でも華鈴ちゃんは言ってないかもしれない。
華鈴ちゃん、危ない事されてないかな。でも、朝の様子を見ても華鈴ちゃんがヒヤヒヤしているのは感じ取れなかったから良いのかな。
「咲希ちゃん?」
うわっ。いつの間にか華鈴ちゃんに考えているところ見られてた!
「どうかしたの?darknessの事モヤモヤしてた?」
「う、うん。部外者の私が首突っ込んで良いのか分からないけど、華鈴ちゃん、姫なんだよね」
「そーだよ〜」
平然とこたえる華鈴ちゃんにギョッとする。
「darknessの姫って、怖くないの?」
「怖いとか、そういうのは感じない。darknessは、他にも姫候補がいるの。期待なんかしてない。一途の真反対だよ、本当」
「嫌じゃないの?」
「権力が全てじゃないって、思ってる。でも、お父様お母様は、『姫になる事は栄光を掴んだも同じ』と仰っているの」
「他の姫候補にも嫌がらせされるし、前は冷水もかけられそうにになっちゃった」
「でもさ、家族の期待には応えなくちゃね」
私は全然知らない世界に、この学園のみんなは住んでいる。期待に応えるのなんて当然なんだな。
私がこの世界にいるとしたら……間違いなく一瞬で社会抹殺だ。
「咲希ちゃん、重苦しい話しなくて帰ろー!方向同じだったよね、嬉しい!」
私、特別寮に住む事になってるんだ。息が詰まる。
でも、明日からだ。特別寮の住人に、明日から私はなる。
華鈴ちゃん、ごめんね——。
傘をさして、私達2人は帰った。
また朝になった。
みんな高級車に乗って時々笑いながら登校していた。
「あっ。glowの方々よ!美形美形」
そして、そのglowの人達も登校している。姿もそれぞれ個性的で、眩しい。
何やらコソコソ話し合っている。「あの子はさ……」「入らせる?」私の事を見ながら言っている。
「おはよう咲希ちゃ〜ん」
「おはようございます!……華鈴ちゃん、今日も可愛い」
「ふふっ、そんな事言わないでよ〜」
華鈴ちゃんと会えた。
ちょっと緊張が解れて、肩を下ろす。
「伊集院様とのお約束はどうなったの?」
え?あ、そういえば。約束してた。約束を忘れるだなんて、私、無責任すぎるよ……っ。
「あ……。入らない、よ。入らない」
「そっかぁ」
華鈴ちゃんは頷く。
「あら、入らないのね。ふぅん」
本人がいつの間にかいるじゃん。どうしよっ。
「やばいぞ」「伊集院様のお通りだわ」「今日も絶世の美人!」みんなの声がかすかに聞こえる。
「どこが気に入らないのかしら?」
「えっ、と」
返答に困ってしまった。なんて答えればいいの?
「伊集院」
ちょっと低くて、でもしっかりとした美声の持ち主。一回見た人だ。
「あら、ダイヤモンド様」
この人はダイヤモンドっていうのか。外人?有り得るかも。
「何してた」
途端に伊集院さんの目つきが凍る。
「いえ、何もしておりませんわ」
「朝、見た。朱鷺に暴力振るってたの」
「……っそんな事してないわよ!」
急に口調がキツくなった。
「後、天石を問い詰めてたのも、見た」
見てたのね……。
「天石さ、うちの寮入るんだろ」
爆弾投下!すぐにみんなにバレるかもだけど、当分は知られたくないよ!!
「「そうなの?!」」
「そうそう♡よろしくね、咲希ちゃん♡」
隣から、ひょこっと髪が黄色くてラブリー系の男の子が顔を出した。
「「トパーズ様!!」」
トパーズって名前なんだな。確かにトパーズは黄色だ。
「へ、へぇ、そうなのね。精々頑張れば」
……頑張りますぅ。
「伊集院。勘違いしてたら悪いが、天石は、ただの特別寮の住人じゃない。glowの姫ポジション」
「そ、その役割は、私のはずです、ダイヤモンド様!だって……咲希さんは、私を虐めてきたんです……。で、でもっ。本人は、悪気があってやっている訳ではないと思いますから……っ」
そこに、麗香さんの取り巻き?さん達が現れる。
「転校生さん、初めまして。私は、八乙女涼華。……麗香様を虐めたんですって?タダじゃおかないわ。なのに麗香様は、天使のような心で、『咲希さんは悪くない』って言うんですよ。glowの姫は、天使様にお任せするべきです。glowに人を虐める穢れが居ては」
「あっそ」
突き放したダイヤモンドさん。麗香さんを鋭く突き刺すような瞳は冷ややかすぎる。
「八乙女は伊集院の事、天使だと思っておけば」
「なっ……!麗香様は聖女なんです!ダイヤモンドさんも知っているでしょう」
ダイヤモンドさんは私をちょっと見て、言った。
「決まっている事は変えられない。じゃあ」
ダイヤモンドさんは、何事も無かったかのようにスタスタとグループの人達との会話に戻っていった。
「……っもう。あんた達って」
「本っ当に、目障りだわ」
華鈴ちゃんがボソッと呟く。
「天石さんをグループに入れる件は、無しになったのですよね」
「ええ。こーんな人が、グループに入れる訳無いでしょう?」
「天石さんの邪魔は、しないで下さい。伊集院様達が天石さんに嫌がらせをしても、ダイヤモンドさんが伊集院様に向ける視線は変わりません」
取り巻きの人達が、華鈴ちゃんを冷たい目で見る。その中の、一際目立つ女の子、八乙女涼華ちゃんが言い放った。
「伊集院様は、学園の平和のために、ダイヤモンド様を気にしているのよ。下々のあんたが言わないでほしいものね」
そして、伊集院様達は高らかに笑いながら(怪しくほくそ笑みながら)校舎に入っていった。嵐が過ぎ去ったみたいだっ……。
「咲希ちゃん、行こ行こ!」
華鈴ちゃんの明るい声に励まされ、私は教室に足を運んだ。
思ったけどこの学園、虐めとか弄りとか、多そうな気がする。ううん、気がするじゃなくて、本当にそう。
上位層が下位層を軽く扱っているというか。私はもちろん下位層。
ぐるりと着いた教室を見回してみる。ここ、令和の平安時代⁇
「皆さん、おはようございます!今日は担任の室原先生がお休みなので、私、副担任の夜凪翠が担当しますね〜」
「やったー、夜凪先生よ!」「夜凪先生、美人だし賢いし運動もできるって噂!文武両道」生徒達の声が聞こえてくる。
そんなに人気な先生なのか、楽しみ!
みんなの噂通り、夜凪先生は面白いし要点がしっかりとわかる。適度に雑談も交えていた。
「これで終わりです。宿題は、教科書のページ94から124とドリルの12番と13番と14番!後、板書してある問題数問も解いてみてね。先生のお気に入りの問題が詰まってるので、お楽しみに!」
ちょっとページをぱらっとめくってみる。確かに、良い問題だな。今回学習した事をちゃんと復習できそう……!
「2時間目、サイエンス!(理科だよ)実験いっぱいやるからね。前計画立てたし、準備バッチリ。安全に気を付けて!」
「じゃあ5分休憩!お喋りに夢中にならずに、水分補給やお手洗いの時間です」
淡々と言葉を発していく先生は、すぐに私の憧れになったんだ。
——5分休憩。
先生に『お喋りに夢中にならずに』と言われているのに、大体の生徒はみーんなお喋り。しかも、家の話題ばっかり。
その中に、転校初日に見かけた、香里奈、ちゃんがいた。煌輝の校則はユルいらしく、センスの良いメイクが顔に施されていた。
「あのっ」
思わず声に勢いをつけてしまった私に、香里奈ちゃんは笑顔で、
「転校生の子?天石咲希ちゃんだったかな。私、藤堂香里奈!よろしくね」
「よ、よろしくお願いしますっ!香里奈ちゃん、可愛いオーラが出てますね。メイク、今度教えてほしいんですが、良いでしょうか」
「もち!咲希ちゃんに似合うメイク、教えちゃう!咲希ちゃんのイメージカラーは、紫とか?神秘的〜」
香里奈ちゃんはメイクに協力してくれるみたい。私、2人目の友達が出来ちゃうかも。だったら嬉しい。
私は、元々喋るのが得意では無い方。コミュ障では無いけど、友達の話の輪に入ったりするのが苦手。
あ。私は、遠くからダイヤモンドさんがこっちを見ている事に気づいた。
目が合うと、ダイヤモンドさんは顔を赤くして、目を逸らしてしまった。
怒らせちゃったのかも……。はしゃぎ過ぎた、かな。
5分休憩終了。
また授業に戻り、ランチの時間が過ぎ、帰りの時間になった。
ん?机の中に、手紙が入ってる。誰から?
手紙の内容はこう。
『天石咲希へ
姫ポジよろしく
寮はこちら』
とご丁寧に地図まで添えられていた。多分、glowの皆さんからだ。
華鈴ちゃんには申し訳ない気持ちでいっぱいだけど、頑張ろう。glowの皆さんと釣り合わないかもだけど、精一杯ベストを尽くそう。

