佐倉くん、好きじゃないのにその気にしないで

羽衣ちゃんがだんだん下を向く。
今……何を考えているのだろうか。

「今、寒いでしょ……?……帰る?」
「……っ」

羽衣ちゃんが傷ついた顔をするのが見えた。
え……。
「どうしたの」

らしくないが俺はあたふたしてしまう。
けどそれを見せるのが嫌で冷静に喋る。

「……っ、分かった帰るね……!楽しかったよ、また学校で……っ」

羽衣ちゃんは走っていってしまう。
早口で、声が震えていて……。

顔が一瞬見えた。

瞳から……雫が流れていた。