「じゃぁ、ホームルーム終わったら三十分くらい待ってて」
顔を赤くして頷くと、高橋くんが嬉しそうに笑う。
それから、友達のところに歩いていった。
その背中をぼーっと見送っていると、小春がわたしのところに小走りでやってきた。
「ねぇ、ねぇ。今朝の紗良と高橋くん、いつもと全然雰囲気が違うんだけど。なにかあった?」
「実は、昨日付き合った……」
小声で報告すると、小春が心底驚いたように目を見開く。
「え? 何がどうなって、そうなったの? 紗良がケガして高橋くんにノートを代筆してもらってたときはちょっといい感じっぽかったけど、そのあとはまた全然しゃべってなかったよね。わたし、なんにも聞かされてないんだけど」
そういえば、ここ最近はまったく小春に恋愛相談をしてこなかった。
バレンタインデーまでは、毎日のように高橋くんのどこがかっこいいとか、どこが好きかとか、くだらない相談をたくさんしていたのに。
どうして、小春に何も話さなかったんだろう。
自分でも疑問に思いながら、最後の体育の授業で高橋くんがジャージを貸してくれたことや、昨日の放課後に告白するために高橋くんを教室に呼び出したことを話すと、小春が目を剥いて驚いていた。



