「あの子たちは可愛いから、男子にもふつうに話しかけられるんだよ」
男子達が話しかけられて嬉しいのは、見た目の可愛い女の子だ。
地味なわたしが声をかけても、誰も喜ばない。むしろ、嫌がられちゃうかも。
卑屈な気持ちになっているわたしを見て、ユーコがパチパチとまばたきをする。
「何言ってるの。紗良ちゃんだって可愛いじゃん」
真顔のユーコは本気でそう言っているみたいだけど。
目が大きくて睫毛が長くて鼻筋の通ってて美人なユーコに言われても、嫌みにしか聞こえない。
「わたしはふつうだよ。前田さんたちみたいに可愛くないし、高橋くんに朝と放課後挨拶するだけでいっぱいいっぱい」
「紗良ちゃんのその考えは、ひねくれてると思う」
ユーコが、ちょっと怒った声でそう言った。
「好きなひとに話しかけるのに、見た目なんて関係ないよ。そんなの、勇気が出せない弱虫の言い訳じゃん。仲良くなりたいって思うなら、自分から行動を起こさなきゃ。それができないなんて、紗良ちゃんは高橋くんのこと、本気で好きなわけじゃないんだね」
「……!」
なんでそんな意地悪いうの?
本気だよ。本気に好きに決まってるじゃん。
人の気持ちをそんなふうに勝手に決めつけないでほしい。
そう思ったけど、とっさにユーコに言い返せなかった。
ユーコが放った「弱虫の言い訳」という言葉が、わたしの胸にぐさぐさと刺さってきたんだ。



