「悠さ、俺がいないと絶対イベント起きてないじゃん。人生平凡!」
……ん? なにこれ。腹話術で声が聞こえてから、リアルに声が届いているような。
(篠原くんとは今の距離感が一番いいんだけど、今はそんなこと言ったらダメっぽいし……)
「篠原くんは、周囲に合わせることが多くて意思が見えづらいです」
まさか、そういうことか? ないよな、ちゃんと考えたら。
(しのっちあおるの、こっちも地味にきついんだよな〜。のったのはウチだから、やり切るけど〜)
「安定感はあるけど〜、ドキドキ感はない的な? そんな気がする〜」
偶然か? こんなことが起こるのは。だけど、その可能性が一番高いというか――。
(篠原先輩が誤解するかもしれないから、普通に頭いいし教え方もあんまり悪くないと思ってるって、これが終わったら言わないと)
「篠原先輩って器用貧乏ですよね」



