「あ、思いついた! 今、俺たち逆転劇やってるけどさ、悠ってそもそも負けてる感じも薄いんだよね」
当然だ、負けていないからな!
くっそう、ここまで言われ放題だったらたしかに逆転劇とやらを起こしたくもなってくる……特に水瀬、俺の努力をこうもやすやすバカにしてきたからな、見返してやりたい。
それに、納得がいかないことを言われ続けるのはかなり堪えるしな……いやこれは『悔しい』って気持ちかもしれない、そうだ、俺は悔しいんだ……!
(悠、そろそろ逆転劇起こしてくれないかなー。あきてきたんだよな、これ)
俺が悔しさを自覚したその瞬間、水瀬が立っている方から水瀬の声が聞こえた――当たり前のことである。
が、水瀬は口を動かしてない。腹話術でも習得したか?
(よっし、じゃあ「俺がいないと絶対イベント起きてないじゃん」とか言っとこうかなー。でも悠がいないと収拾つかないっていうのは自覚してるから巻き込んでるんだけど)



