「……というと、俺が負け組になるってことか?」
「ま、簡単に言ったらそゆこと」
じゃ、お断りで。勝ち組だと思ったことはないが、負け組だとも思ってないからな。
もっとぴったりな人――が身近にいるかは知らないが、その人でやったらどうだ。
「え、無理。悠がいい!」
「嫌だ。あれだろ、水瀬が言ってるのって、虐げられてた主人公がなにかの才能に目覚めて周りを見返す的なやつだろ」
「そうだけど?」
「あれが現実でできると思うな。俺は水瀬とは違ってわりかし普通の人間だ、どんだけ虐げられても能力に目覚めたりはしないんだよ」
「だったら諦めるしかないよ、頑張れ悠。とりあえず俺は人呼んでくるから、玲央がいる空き教室に行って! 誰呼ぶかはお楽しみ!」
俺の抵抗も虚しく水瀬は走り出し、空き教室に行くほかなくなった。
誰を呼ぶつもりなんだろうな、本当に嫌な予感しかしないんだが。



