そこには正真正銘、水瀬の名前が書かれていた。
「……、どういうことだよこれ!」
本当になにかが起こったときに言葉は遅れて来るものだということを、今の水瀬の発言で実感した。
水瀬は俺から学生証を奪うと、怖い顔をしたまま不良後輩に詰め寄る。
「え、なんで玲央が持ってるの? ポケットに入れてたんだよ? 昨日すれ違ってちょっと話しただけだよ? え、まさかマジックとか言わないよな?」
どうやら水瀬は怒っていたわけではなく、単純に混乱していたらしい。「え?」と繰り返している。
その混乱を向けられた不良後輩は、やはり平然とした顔で告げる。
「水瀬先輩には悪いんですけど、それがマジックなんです」
そうして不良後輩が語ってくれた内容をまとめると、以下のようになる。
委員長に「マジックとかできたらかっこいいよね」と言われ実際に習得したので、水瀬で検証してみた。



