「うーわ俺の身長バカにしてきたー! まず1日でそんなに身長伸びるわけないじゃん!」
「水瀬先輩だから本気になると思ったんですけど……その程度ってことですね」
「後輩のくせに生意気な!」
定期的に開催される勉強会以外でも会っていたのだろう。水瀬と不良後輩は距離を縮めているように思えた。
このままだと、俺だけ輪の外に弾き飛ばされるかも?
しばらくしてから、不良後輩は俺に視線を戻した。
「で、水瀬先輩の学生証でしたっけ?」
「ああ。昨日の途中までは持ってたらしいんだが……」
「――これのことですよね?」
さっ、と。
当たり前のように、シャツの胸ポケットから取り出された白いカード。
俺は無意識のうちにそれに手を伸ばして、不良後輩の手からひったくるようにとっていた。
表に返して、一番上に書いてある名前を確認。水瀬も俺の手元を覗き込んでくる。
『水瀬颯良』



