「1、6、8!」
「残念、俺170なんで。小さいですね」
「うるさーい!」
ちなみに俺の身長は171センチだ、ということは黙っておく。
不良後輩が対抗心を燃やした水瀬に強制背比べをさせられそうになっていたので、とりあえず止める。
水瀬、ズルしてテニスボールの上に立ってたからな。そこまで勝ちたかったのか。
「名残だってのは分かったが、委員長に怒られたりしないのか? 厳しそうだろ」
「学校ではちゃんとしなさいって言われることはありますね。でも、七海先輩がかっこいいって言ってくれたので」
水瀬は不良後輩の横に並んだまま、耳を指さした。
「ピアスも?」
「似合ってるって、先輩が」
「はい、恋!」
「違います、尊敬です」
「尊敬? 見下すって意味だっけ?」
「真逆だよ。尊敬は敬うってことだ」
不良後輩は委員長に褒めてもらったというピアスに軽く触れながら、話してくれた。



