「別に大した話じゃないですよ。俺、中2になってからいろいろあってグレたんです。その俺を七海先輩が更生してくれた、ってだけで。この格好も、あまり授業に出ないのも、その名残です」
「ちょっと待ったー!」
なるほど委員長が、名残っていうのはそういうことだったんだ、と納得したのだが、水瀬はそうではなかったらしい。
「玲央が中2のときって、委員長は高1だろ? 更生しようがないと思うんだけど!」
言われてみればそのとおりな意見である。
恐るべし、水瀬の頭の回転速度。脳があるんだかないんだか、はっきりしなくなってきた。
この反撃にどう対応するのかと、不良後輩の言葉を待つ。
「……それには海よりも深い理由があるんです」
あ、逃げた。
「うわ隠すな! こう見えて俺、海底に足つけて海面から顔出せるくらいには身長あるんだからな!」
「……どっからどう見ても俺より低いと思うんですけど。先輩、身長いくつですか」



